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ペットが食べるフードについて ⑤

6月23日(土)、および7月3日(火)は都合により終日休診となります。

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

 

少し更新が遅れました。

『ブログの更新、楽しみにしてますよ♪』と言ってくだる飼い主さんもいらっしゃって、食については興味がある方が多いんだなあと改めて感じています。

 

たんぱく質の話です。

 

たんぱく質には

『動物性たんぱく質』と『植物性たんぱく質』があります。

動物性たんぱく質は、いわゆる『お肉』。

植物性たんぱく質は、代表的なものが、畑の肉と言われる『大豆』。

人間や犬や猫などの哺乳類は、当然ですが、動物なので動物性たんぱく質でできています。

 

たんぱく質は、20種類のアミノ酸が材料となって構成されており、そのアミノ酸には必須アミノ酸と言って、体内では合成できないので食べ物から直接摂取するしかないものがあります。

私も専門家ではないので、アミノ酸の小難しいカタカナは覚えられないのでざっくりとしたイメージで捉えています。

 

例えば、アミノ酸A、B,C,Dがあったとします。

A,B,Cは非必須アミノ酸とします。

AとBが結合するとCのアミノ酸ができるとすると、C=A+Bなので、アミノ酸Cは、Cとして食物から取り込まなくても、AとBがあれば合成できる・・・これが非必須アミノ酸のイメージです。

Dは必須アミノ酸とします。

これは、A+B+Cをしても、Dになることはできないので、直接食べ物から作らないと、体内で不足する、ということ。

アミノ酸が結合するとたんぱく質が作られます。

たんぱく質は、体のほぼすべて臓器の構成成分になり、その構成するアミノ酸の種類、バランスがすべて違っています。

例えば皮膚の細胞のアミノ酸がA+B+C+Dで構成されていた場合、Cの摂取が多少足りなくても、AとBがあればCは合成てもらえるので材料としてはまかなえるのですが、Dが足りなければ皮膚の材料そのものが足りないことになるので、肌がカサカサ、ボロボロになっていく、、、そんな感じでしょうか(本当は皮膚でいうとビタミンやミネラルも必須なのでタンパク質だけでは話が足りないのですが)。

 

・・・わかりやすく説明しようとして、かえってわかりにくくなったかも、です(スイマセン)。

 

で、そのタンパク質の構成成分のバランスをスコア化したもので”プロテインスコア”というものがあります。

上記のD・・・食物に含まれる必須アミノ酸の量を数値で表したもので、数値が高い食品ほど良質のたんぱく質を含むことになります。

同じ量のタンパク質を摂取しても、スコアが低いとアミノ酸がうまく利用できていないことになります。

 

◆プロテインスコア

鶏卵:100

イワシ:91

豚肉:90

鶏肉:87

牛肉:80

牛乳:74

大豆:56

豆腐:51

トウモロコシ:51

小麦:51

 

鶏卵は、その材料だけでヒヨコという筋肉・骨で骨格が作られ、内臓を持ち、羽をまとった生物として誕生できますのでパーフェクトなバランスと考え、そのスコアを100として、ほかのものを比較しているようです。

魚、お肉などの動物性たんぱく質はかなり数値が高いのに対し、畑のお肉と言われる大豆でも56、小麦やトウモロコシは51と、卵と比べると摂取したたんぱく質の利用率が半分くらい。。。ということになります。

 

なので、フードの組成でタンパク質30%のフードでも、主原料(一番最初に書かれている材料)が”穀物”の場合は、体の中での利用効率がかなり落ちることになりますので、たんぱく質が25%であっても主原料が鶏肉や豚肉などの動物性たんぱく質のほうが、体内での利用効率が上がるはずです。

 

なので、私は原材料が動物性たんぱく質をメインとして作られているフードをお勧めしています。

穀物メインのフードはおそらくそのタンパク質のかなりの割合が体に吸収されずに便に出てしまっている気がします。

穀物メインのフードは原材料が安くできますので、価格を抑えることができます。

なので全てとは言いませんが、安いフードは便の量がやたら多い”ドカ便”になることが多いので、フードの見直しをしてもらうと、同じ量与えているのに便があまり出なくなりましたが便秘なのでは?大丈夫でしょうか?、と聞かれることもしばしばです。

 

余談ですが、そうすると、日本食の文化は米を主食として肉をがつがつ食べる文化ではないのに、昔の人だって普通に体が維持できているのはなぜ?という思いが湧くかもしれませんが、例えば日本食に欠かせない、納豆・豆腐・味噌・醤油などの大豆製品。

大豆だけではプロテインスコアは56でしたが、玄米を一緒に取ると、大豆で不足する必須アミノ酸を玄米がカバーしてくれて足し算するとプロテインスコアが100に近くなるようであったことと、昔はイナゴのつくだ煮や蜂の子など、肉は摂取しなくても昆虫などの動物性たんぱく質を摂取することで不足分をカバーしてバランスを取っていたようです。

先人は、さまざまな穀物、野菜、季節のものを摂取することで肉食メインの文化ではなくてもその肉体を維持していたのですね。

ちなみに大豆はプロテインスコア56であっても、小豆やひよこ豆、レンズ豆などなど・・3種類程度の豆類を組み合わせて食べるとプロテインスコアはそれぞれの不足分を補い100に近くなるのだそうです。

 

じゃあ、動物性たんぱく質が主原料になっているフードはすべて良質か・・・というと、実はこれにもからくりがあります。

続きはまた近日中に書きます。