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ペットが食べるフードについて⑧

19日(金)午後、および20日(土)は終日休診となります。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

今回は油の話です。

個人的に、油は健康を維持するための”キモ”ではないかと思っています。

 

DHA・オメガ3脂肪酸が体に良い。

 

これは人のほうでも浸透している話ですし、哺乳類すべてに言えることですから、犬や猫にとっても重要な要素になります。

脂肪酸には

飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸があり、

不飽和脂肪酸にはオメガ3、オメガ6、オメガ9脂肪酸があって、オメガ3、オメガ6は必須脂肪酸と言います。

・・・・と話を話を進めていくと、小難しくなるので、今回はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸との関係についてできるだけ小難しくならないように書きます。

 

オメガ6脂肪酸は炎症を起こして、細胞を固くする油

オメガ3脂肪酸は火消し役で、細胞をしなやかにする油

 

オメガ6が悪者ということではなく、ひとまずは、ざくっというとそんな認識を持ってください。

必須脂肪酸というのは、体内で合成することができないので、食べ物で摂取するしかないですよ、ということです。

 

私達を構成している細胞は、その一つ一つは『細胞膜』という膜に包まれています。

で、その細胞膜の構成成分にオメガ3とオメガ6の脂肪酸が必要になります。

 

オメガ3を沢山含んだ細胞膜でできた細胞は炎症を起こしにくくしなやかになり、

オメガ6を沢山含んだ細胞膜でできた細胞は炎症を起こしやすく硬くなる。

 

そんなイメージになります。

 

炎症を起こしやすいって、、、やっぱりダメじゃん!!・・・そうではないのです。

私たちの体は、常に細菌やウィルスなどが入り込む生活をしており、侵入してきたそれらに対して戦うためには炎症を起こすことが必要なのです。

炎症と言っても、明らかにインフルエンザのような状態にならなければ、細胞レベルで常にそういた仕事をしてくれていることで、健康を害することなく生活ができるのです。

 

問題は、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の体内での比率です。

理想のバランスは

オメガ6:オメガ3=2:1~6:1

と言われています。

実際に栄養療法を実践している人医の先生の話だと、1:1がベストだと言います。

 

ペットの総合栄養食を規定しているAAFCOの最大限度値は30:1なのだそうです。

人での理想のバランスは2:1とかなのに、本当にペットには30:1でいいのか?という話になりますが。

 

オメガ6脂肪酸は、サラダ油や鶏肉の油分や、さまざまなお野菜・穀物に微量に含まれる脂肪酸もオメガ6脂肪酸が多くなります。

オメガ3脂肪酸は植物性のものでいうと、エゴマ油、アマニ油などに豊富に含まれ、動物性だと青魚の油に多く含まれているというのは、よく知られた話です。

 

鶏肉のオメガ3とオメガ6の比率は、それだけですでに

オメガ6:オメガ3=30:1であり、

例えば、人の食事で鶏のから揚げをすると、もっともっとオメガ6脂肪酸の接種割合が増えてしまうことになります。

 

オメガ6脂肪酸は、日常の食生活をしていれば勝手に体内に入ってくる油。

オメガ3脂肪酸は、意識して取らないと摂取が難しい油。

(厳密にいうと、オメガ6を豊富に含んでいる油でも、オメガ3脂肪酸が0ということはないので、ごくごく少量は摂取ができていますが)

 

なので、どう考えても現代の食習慣は、オメガ6脂肪酸が多すぎで、オメガ3脂肪酸が少なすぎる、ということです。

だから、意識して積極的に摂りましょう、ということになるのです。

 

私が勉強している分子栄養学の人医の先生は意識してオメガ6脂肪酸は極力減らし、積極的にアマニ油を摂取し、DHAのサプメントをガンガン飲んでもオメガ6:オメガ3=1:1にはならないそうです。

そのくらい、オメガ3脂肪酸は摂取の難しい油、ということのようです。

 

ちなみに植物性のオメガ3脂肪酸は体内で何回か酵素によって化学変化を起こして、魚の油の成分であるDHAやEPAとなります。

哺乳類の体内で利用できるのは、DHAやEPAの形になってからになります。

実は日本人は、島国で魚の摂取が多かったのでDHAやEPAがダイレクトに摂取できる環境だったせいか、植物性のオメガ3脂肪酸をきちんとDHAやEPAに変換できる人は20%ぐらいなのだそうです。

犬や猫は、もともとが肉中心の食生活をする生き物なので、たぶんですが、植物性のオメガ3を体内で利用可能なDHAやEPAに変換するのは難しいと考えられるので、割り切ってサプリメントで取ったほうが間違いないとも言われています(もちろん、魚を沢山食べてもいいです)。

なので、人でもきちんとDHAやEPAを体内にいれたいと思うのであれば、サプリメントのほうが間違いないと思います。

サプリメントは毎日のこととなると、費用もかかってきますから、植物性油でもまったく利用されないわけではないとも思っているので、健康状態が問題なく生活しているワンコさんには、ひとまずアマニ油をちょっとだけ振りかけてあげてね。と指導することもあります。

 

あと、『鹿肉にはオメガ3脂肪酸が豊富』

という話を聞いたことがある人もいると思います。

 

これは別に鹿が体内でオメガ3を合成できるわけではありません。

ちなみに青魚もその体内でオメガ3を合成しているわけではありません。

 

青魚の場合、エサとなる植物プランクトンがオメガ3脂肪酸を豊富に含んでおり、それを摂取することでオメガ3が豊富な細胞が出来上がる、ということで、同様に鹿も(おそらく野性の生き物はということだと思うのですが)、エサとなる自然界の草にオメガ3が豊富に含まれるので、オメガ3が豊富な細胞が出来上がる、ということだと思います。

 

なので、青魚を水族館で人が配合したエサを与えたり、鹿を家畜化して牧草や配合飼料を与えて育てたら、オメガ3脂肪酸が豊富なお肉にはならないと思います。

あと、大事なのはオメガ3脂肪酸は『酸化しやすい』『熱に弱い』ということです。

酸化しやすいということは、傷みやすい油、ということです。

傷んで酸化した油は、とても体に良くないです。

アマニ油は開けたら冷蔵庫で保管して、さっさと使う。炒め物には使わず、サラダやおひたしにかける・・・これが基本。

DHAやEPAのサプリメントは通常ソフトカプセルに入っていますが、これも空気に触れるのを避けるためです。

 

ドッグフードには、あえて『DHA配合』を唄っているものも多いですが、個人的には、ひとたび開封した瞬間から酸化が始まるドライフードで、はたしてDHAがいつまで良質の状態で維持できているのか。

また、熱に弱いオメガ3脂肪酸が、フードの生成過程のどこで添加されたのか、、最初の材料を混ぜ合わせる段階で加えて、そのあと熱を加えて加工したら、さてさて?、と思ってしまいます。

DHA摂取を狙ってそれが豊富に含まれているフードを選ぶよりも、別に足し算して与えたほうが間違いないと、私は思います。

 

あともうひとつ、サプリメントを選ぶときですが、

サプリメント自体は空気に触れないようにソフトカプセルになっていますが、中身自体が、その生成過程で高い熱が加わったり、空気に触れている時間が長いと粗悪な油になってしまいます。

信頼できるメーカーさんを探すのは難しいのですが、1つの目安として

『粗悪なDHAが魚臭がきつく、良質なDHAはあまり魚臭くない』ようです(あくまで目安です)。

もともと魚油ですから、臭わないことはないのですが、確かにソフトカプセルから開けると、ものすごく魚臭くて指についたらなかなか臭いが落ちないものと、そんなに苦にならない油はあります。お試しください。

 

オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸の体内での作用・効果は次回に続きます。

(早めの更新を目指します・・・(汗))。