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年の初めから重大な(?)ご報告

2020年が始まりました。

本年もよろしくお願いいたします。

 

実は、お店を作ることにしました。
動物病院ではありません、『店舗』です。

はい???っていう感じだと思うのですが。。

どんなお店かというと
ペットのためのセルフケア、飼い主さんによるセルフメディケーションを応援するお店です。
セルフメディケーションとは、『自分の健康は自分で守る』ということ。
我がやのペットの健康を飼い主さん自身で守る、、というコンセプトのお店です。

なぜ、セルフメディケーションなのかというと、、基本的に私がいないお店だからです。
運営はほぼスタッフ任せのお店です。
私は今まで通り往診獣医を続けていきます。

またまた、はい???っていう感じだと思うのですが。。。

・今は元気で何も心配のないペットが、この先も元気でいてくれるように、サポートする
・病気というほどではないが、なんらか気になる症状を抱えている子のケアに
・慢性疾患を患って治療中のペットをサポートし、動物病院の治療+αでよりよい生活を
・シニア期のさまざまな機能の衰えに上手にお付き合いできるように

具体的には、医療機器ではない健康機器(一般の方でも使用できるもの)を置いて使っていただいたり、私が診療の現場で使用して効果の高いと思われるサプリメントを提案したり、フード選びに際しての考え方を提示したり、、、といった、獣医師がプロデュースするペットのためのケア用品のセレクトショップ?みたいなイメージです。

まだまだ、はい???っていう感じですかね。。。

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私は往診獣医になって6年目を迎えます。
実際にご自宅に伺って診察をするようになって、今まで動物病院という施設で診療では見えなかったことが見えるようになり、診察台では聞けなかった飼い主さんの想いをたくさん聞く機会をいただきました。

病気になったとき、獣医師の診察を受け、注射や投薬治療・手術などをしてもらうことは仕方のないことかもしれません。
今は現代獣医療も格段に進歩し、各科の専門医も増え、大きな設備を備えた動物病院もありますから、今まで治せなかった病気に対して正しい診断ができ、様々な治療ができるようになりました。
でも、急性の病気であれば、短期間の治療で完治に持ち込める場合が多いものの、心臓病やホルモン性の病気やアトピーなどの慢性疾患、がんなどの完治にもちこむのが難しい病気は対症療法と言って、長期的な薬物療法を必要としたり手術をしたり、それでもだんだん進行していくことで不安になっている飼い主さんがいます。
そんな中で何かこの子のために他にできることはないのかと、食事のことを気にかけたり、さまざまなサプリメントを調べてみたり、マッサージやさまざまなケアといった、『治療』以外の手段を探されている飼い主さんがいます。
年齢を重ねていくシニア期のケアや介護など、明らかな『病名』はつかないものの、最善のケアが何なのか、困っている飼い主さんがいます。
例えば、シニア犬が足を痛めて足を着かなくなれば、動物病院で診察し、投薬治療で落ち着くこともあるかもしれません。
でも足腰の衰えや若いころのような覇気のなさは老化だから仕方ないといわれ、何もできないま心配を抱えている飼い主さんがいます。
寝たきりになって床ずれができれば、動物病院で治療を受けることになりますが、寝たきりなだけでは”病気“ではないことと、本人の通院の負担が多くなるため、一般的に動物病院には受診されません。
では寝たきりになったら介護はどうすればいいのか、もしくは寝たきりにならないようにすることはできないのか、そんな不安を抱えている飼い主さんがいます。
まだ何も病気になっていない健康なペットでも、病気にならないように飼い主としてできることはないのか、そんなことを考えている飼い主さんがいます。

 

往診診療のメリットの一つに、“たくさんお話をする時間がある”ということ。
ご自宅なので飼い主さんも緊張感があまりないためか、いろんなことを話してくれますし、いろんなことを聞いてきてくれます。
実際に食べているフードを持ってこられ、『フードはこれでいいのか』とか、サプリメントのパッケージを見せてくれて『このサプリは飲ませていいのか』など。
机一杯になるくらい、いろんなものをトッピングして与えている飼い主さんもいらっしゃいます。決して珍しいことではありません。
明らかな病気ではないが、様々な不安を抱えている飼い主さんのお話もたくさん聞かせてもらいました。

往診診療のもう一つのメリットに、“その子の生活環境がわかる”ということ。
例えばシニア期のワンコのお宅に行くと、リビングのテーブルやソファが取り除かれ、一面にペットシーツが敷かれ、家具の角にぶつからないように段ボールで保護され、部屋と部屋の間は柵で仕切り、人にとって居心地の良いくつろげる空間ではなく、お客様をお招きする空間では決してないリビングになっているお宅に普通に出会います。
飼い主さん、長く連れ添った”わが子“に対して本当に一生懸命なんです。
往診を始めたころの私にとって、その光景は衝撃的でした。
施設で勤務している頃、できるだけ飼い主さんの気持ちに寄り添った診察を心がけていたものの、自分は今までいったい何を診ていたのか、と胸が張り裂けそうになったのを今でも忘れることができません。

 

慢性的な病気になったとき、病院で受ける治療以外に自分(飼い主)にできることはないのか。
シニア期を上手に過ごすために自分(飼い主)にできることはないのか。
できるだけ病気にならないように自分(飼い主)にできることはないのか。

そういった、『医療』ではない部分。
飼い主さんによる『ケア』という部分を応援するお店です。
動物病院ではないので、一般的な診療行為は行いません。
基本的に私が常駐しませんので、獣医師が何か“してあげる”ことは難しいですし、その場で直接アドバイスすることも難しいです。
飼い主さんがその場で情報収集して“これはいいかも♪”と思うことをおこなってもらう、使ってもらうということになります。

しばらくの間、回数を分けてどういったお店なのかお伝えしていこうと思っています。

オープンは5月のGWの予定。ただいま店舗建築中です(テナントじゃなく建てちゃうところが私の思い切りの良さ(笑))。

場所は常滑市内です。

ということで次回に続く・・・。